寒造り

腐敗防止のために冬に製造する

寒造りは江戸時代の技法で、酒蔵は冬の間だけ酒を製造していました。 寒く乾燥した気候を利用することで、酵母培養の温度管理と細菌汚染の回避が容易になりました。 これは、温度制御や空気浄化ができなかった時代の技術です。

寒造りの利点

江戸時代初期まで酒蔵は1年中、酒を製造していました(四季醸造)。製造時期により新酒・間酒・間酒・寒前酒・寒酒・春酒のと呼ばれます。しかし、暖かい季節に造られた酒は発酵が早く、腐敗しやすくなります。一方、冬醸造の酒は、安定した味と品質のために珍重され、高価でした。徳川幕府は、貴重な米を無駄にせず、酒の酸敗を防ぐために、製造に規制を課しました。後に主流となった寒造り以外の酒の製造が禁止されました。 品質向上に加え、酒蔵側の利点として、その年の収穫を終えた農家を季節労働者として雇用することが容易です。このように、寒造りのプロセスは洗練されていきました。 温度制御や空気浄化が可能になった現代では大手企業は1年中、酒を製造していますが、酒蔵の大半は小規模であり、寒造りを続けています。

寒造りの季節はいつか?

12月から2月頃に行われます。 この時期の日本の天気は乾燥しており、雨が少なく、気温の変化も少ないです。 2月3日は節分、それ以降は春の始まりです。