三倍増醸清酒

過去に流通していた低品質な日本酒

日本酒の原料は法律で種類と量が定められています。 しかし、安い日本酒には大量の醸造アルコールが含まれていると考える人がいます。 これは過去に三倍増醸清酒が流通していた事が原因です。

三倍増醸清酒とは

米以外から造られた醸造アルコールや水を加え、味を整えるために糖類や酸味量を加えています。元の3倍量になることから三倍増醸清酒と呼ばれます。

普及の原因

第二次世界大戦後の米不足の際に普及しました。酒米も配給によるので日本酒の生産量が減少し、身体に害のある燃料アルコールやメチルアルコールを使用した密蔵アルコールが増加しました。これらの問題を解決するために三倍増醸清酒の製造が推奨されました。

三倍増醸清酒の衰退

第二次世界大戦後から三倍増醸清酒の生産量は増加しましたが、1960年代には品質が重視されるようになりました。いくつかの酒造は純米酒にこだわり人気となりました。酒蔵の多くが三倍増醸清酒の製造を続けたため、変化はゆっくりでしたが、1980年代に大手酒造が三倍増醸清酒の製造を止め、2006年には法律で日本酒(清酒)を名乗れなくなったため、三倍増醸清酒は消滅しました。米不足により仕方のないものだったとはいえ、三倍増醸清酒により日本酒を嫌いになり、未だに苦手意識を持っている人もいます。